不登校のきっかけを探る⑤

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せっかくびーとが勇気を振り絞って担任に相談したのに、すぐに対応してもらえなかったことは、彼にとって大きな失望だったと思います。

面談で、担任は「M君とびーとの席を離す」という話をしたそうですが、実際にそれが実行されることはありませんでした。びーとの視点からすれば、相談した翌日には席替えがされることを期待していたでしょう。

それが、次の「席替えのタイミングまで待つ」という担任の意図を知らされなかったことで、さらに彼の気持ちは不安定になったのではないかと思います。

さらに問題だったのは、びーとの相談内容が他の教科担当の先生に共有されなかったことです。小学校でも、教科ごとに担任ではない先生が授業を担当することが多くあります。だからこそ、びーとの状況を教科担の先生にも伝えておくことは重要だったのに、それがされていませんでした。

そして、担任がいない専門教科の時間に、ついに事が起こってしまいました。

びーとはいつものようにM君と同じ班で授業を受けていましたが、その日も変わらずM君の暴言が続いたそうです。「先生に相談しても何も変わらない」という失望感が彼の中にあったのでしょう。びーとの中で我慢の限界が来てしまい、ついに感情が爆発してしまいました。

授業が終わった後、びーとは教室の後ろで床に突っ伏して泣き叫んでいたそうです。教科担の先生は、最初はただのケンカだろうと思い、あまり気に留めていなかったと聞きました。

しかし、びーとの感情はどんどん抑えられなくなり、ついには2階の教室から飛び降りようとしたのです。

「僕がこんなに嫌だってことを分かってもらいたかった」と、彼は後に言いました。せっかく勇気を出して担任にSOSを出したのに、何も変わらない状況でM君の暴言を耐え続けることが、彼にとっては絶望的な状況だったのだと思います。

幸い、クラスメイトや教科担の先生がびーとを押さえつけて飛び降りを防ぐことができましたが、教室中が大騒ぎになりました。この出来事をきっかけに、びーとは学校から離れていくことになったのです。

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