昨年、びーとの在籍していたクラスには、「通級」と呼ばれる指導法を受けている友達がいました。仮にM君と呼びますが、彼は通常学級に所属しながら、特定の教科では特別支援学級で授業を受けるスタイルを取っていました。
M君がどのような特性を持っていて、どのような支援が必要だったのか、私には正直あまりよく分かっていません。しかし、クラスにいるときにはトラブルになることが多かったようです。
M君はしばしば暴言を吐いたり、暴力的な行動を取ることがあり、特にクラスの男の子たちと激しくケンカになることがありました。
後に担任の先生から聞いた話では、M君が暴言を吐くと、クラスの男の子たちが反応して騒ぎ立て、まるで火に油を注いだかのようにクラス全体が大混乱になることが頻繁にあったとのことです。先生もヒステリックになってしまい、怒鳴り声が響く教室はとても居心地が悪かったようです。
そんな状況の中、担任の先生がトラブルを回避するためにとった方法は、なんと、びーとをM君の隣に座らせることでした。
びーとは、M君に暴言を吐かれても嫌なことをされても、平然とやり過ごしていたようです。クラスではいつも隣の席に座り、グループ活動や宿泊研修でも必ず一緒。
言葉を選ばずに言うと、びーとはまるでM君の「世話係」を任されていたのです。これって本来は先生がすべき仕事だったはずです。
全てあとから知った話ですが、びーとにとって、M君と一緒にいることは決して楽しいことではなかったそうです。実際、「また一緒か…」とブルーな気分になることも多かったと言います。
しかし、当時の私はそのことに全く気づいていませんでした。びーと自身も、家に帰るとその嫌な気持ちを忘れていたと話していましたが、心の中ではそれなりにストレスを抱えていたのだと思います。
それでも何とかやり過ごしていたびーとですが、徐々にその負担は大きくなり、許容範囲を超えてしまったようです。
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